2010/08/31

自作ステディカム総括

自作ステディカム総括
最初の自作ステディカムを作成してから1年がすぎ、今までマーリン型から
グライドカム型といろいろな「モドキ」を作りましたが、今までにわかっ
たことをまとめたいと思います。

1、使えるギンバル      <上写真 使えるギンバル>
基本は、ピッチング(頭を上下に振る運動)、ローリング(全体が左右に
傾く運動)の調整が正確にできるようにギンバルの縦・横の可動部が同じ
位置にあるという所だと思います。一部のユニバーサルジョイントでは位
置にズレがあり、調整がうまくできません。具体的に言うと、ピッチング
の調整でアームを手元に引きよせ離した時、アームが垂直に戻るまで1.5秒
ぐらいで調整していますが、その後の、ローリングの調整でアームを横90
度から垂直に戻るまでに要する時間も同じく1.5秒ぐらいが理想なわけで
すが、ギンバルの可動部に位置ズレがあるとピッチとロールに大きな時間
差が出てしまいます。つまり、調整しきれないということでこれは致命的
かも知れません。ステディカムは操作と共に調整が全てですから。


今までに作成したギンバルで使えるものと失敗作のものです。
●使えるギンバル
右のギンバルは、ピッチング、ローリング、ヨーイングの3つの可動部が
同じ面上(同じ位置)に有る為か調整がしやすいです。動きもスムーズ
でグリップの動作が本体に影響することもありません。



●失敗例
これらのギンバルは歩いている途中、必ずバランスがくずれてきます。
位置ズレのため、完璧に調整できないことと可動部のガタが大きいのが
原因ではないかと思っています。


2、スティカムの重さと風
自分なりにわかったことは、マーリン型、グライドカム型関係なく、大
きさよりも重さが安定感を生むということでです。極端な話、腕に1Kg
ぐらいのアームバンドを捲いて腕を伸ばしたままでカメラを持ち撮影し
てもそこそこブレの少ない動画が撮れます。それに、ギンバルの可動部
の隙間から発生するガタを重さが上部から押さえてくれるためにバラン
スがくずれ難くなります。
それと何と言っても「風」でしょう。重さが有ると多少の風には影響を
受けなくなります。軽いとそよ風程度でもクルクル回ってはっきり言っ
て使い物になりません。自分が移動するということは、即ち風を受ける
ということで環境として「風の無い日はない」と思った方が良いですネ。
製品版「マーリン」でも風には苦労するようで「利き手で持って反対側
の手でギンバル上部を軽く触りながら操作する」というのが基本の様で
すが、これがすごく難しいです。

3、使えるステディカムは?
結論として「片手操作の場合ですが、風に影響されにくいものだけが
使えるステディカムだ」ということで、使えるのは、カメラを装着した状
態で2Kg以上のものか、業務用の大きい重たいもの(アームベスト必
須) それに性能は期待できないし、お勧めしませんが風には強いロッド
エンドベアリングの物ということに。


※無風状態でゆっくり歩く場合は、軽いものでも奇麗に撮れたりします
が風の無い日というのは稀でしょう。

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

はじめまして。
ここのサイトを参考にスタビライザーを製作しております。そこで疑問がありますがお答え頂けますでしょうか?それはいろんなスタビライザーにはフロント部分に錘があります。一体何のためのつけるのでしょうか?お願いします。

すってんdeころりん さんのコメント...

はじめまして、コメントありがとうございます。
前の錘ですが、ヨー慣性を増加させて直進性を増す又は「姿勢を維持する力」を大きくする為と私は理解しています。
ヨーの慣性を増す方法としてアームの曲がりを深くする(MMCなど)と前後に錘を付ける(マーリン)の2方法あると思います。

日本製のステディカムのES PRO MINI にも前方に錘が付いていますが説明には「細かい揺れ・振動をとる防振ウェイト」とあります。ヨーイングモーメント(右や左に回転しようとする力)に関係すると思われます。

これは、グライドカムタイプを自作していると下の前後に錘を付けるアームの長さで直進性がずいぶん変わるのを実感できると思います。
ただ、やっぱり風には敵いませんが。

自作、頑張ってください。
コメント、ありがとうございました。

匿名 さんのコメント...

早速のお返事ありがとうございました。
現在まで3台の試作。なかなか思うようにいきませんね。これからも宜しくお願いします。